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2022.12.30

「部材在庫のABC管理と部材の共通化」について

 受注生産型の企業で「部材在庫の見直し」を提案すると、「部材は全て厳格な管理が必要だ」とか「入手できる時に、できるだけ先行買いしておきたい」や「顧客案件毎の部材在庫を常備していることがうちの強みだ」等の声が現場から挙がります。製造現場の正直な感覚としては解らなくもないのですが、経営の観点からは果たしてそれで良いでしょうか?
 数千・数万にも及ぶ部材を全て同じ程度に管理することが、本当に自社と顧客双方の利益に繋がっているのでしょうか?部材の在庫管理についても、管理・発注に掛かる費用の80%程度は全在庫品目中20%程度の品目で占められると言われています。それら20%の品目を厳格な管理(A品目管理)すれば良く、B・C品目に費やしてきた(過剰な)管理については可能な限り簡素化してコスト低減を図れれば、「費用対効果」の観点からもそれに越したことはありません。
 また、顧客毎のきめ細やかな対応と称して、「共通化しても問題なさそうな部材」を各々の顧客案件毎に常時在庫している企業も見受けられますが、そこまでの管理が本当に必要でしょうか?繰り返し受注生産形態であれば、顧客に提案(了解)の上で共通化できる部材は共通化してコスト低減を図り、そのコスト低減分を顧客への販売価格等に反映できれば、その方が真の顧客価値の提供になるのではないでしょうか?
 次回は、「部材在庫の適正在庫量算出」について少し考えてみたいと思います。
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