明けましておめでとうございます。２０２３年も部材調達難は継続するものと思われますが、今回のテーマ「部材在庫 見える化」では、「ＡＢＣ区分管理、使用部材の共通化」に続き「使用部材の適正在庫数量」についても考えてみたいと思います。
　受注生産型の企業では、使用部材の適正在庫数量と言ってもあまり馴染みがないのかも知れません。しかし、自社の生産形態が繰り返し受注に近いものであれば、一度、使用部材の適正在庫数量についても検討してみる価値はあるのではないかと考えています。
　適正在庫数量を算出するのに最適な基礎データは、部材毎の使用(払出)実績データになります。在庫・発注・生産管理にとって非常に有益な実績データですので、もし、現在まで使用実績等を採取・蓄積されていないのであれば、今後の優先重要課題としての取り組みを是非ともご検討下さい。製造部門への部材使用(払出)実績は顧客の需要実績データと同じことですので、その実績値をベースに部材のＡＢＣ区分や発注から納入までのリードタイム等を考え合せることで、ある程度合理的な適正在庫数量の算出も可能なのではないかと思います。
　部材調達難が続く昨今の経営環境下であればこそ、社内の部材在庫品の「ＡＢＣ区分管理」を実施し「顧客毎の使用部材を共通化する」にも取り組み「部材毎の適正在庫数量」を意識した管理を心掛けて、先ずは手持ちの在庫品を「大切に取り扱う＝管理する」ことが今必要ではないでしょうか。